「いくら何でもあんな近くには隠れないよね・・・」
数を数える時に、李厘が物凄い勢いで走っていく音が聞こえた。
それを聞く限り、近くに隠れたとは思えない。
そう考えたあたしは左に曲がってそのまま道なりに進んでいった。
突き当たると右へ曲がる道があったので曲がり、そのままきょろきょろと回りを見ながら更に進むと、左手に部屋の入り口があった。
部屋を覗く前に今いる通路の先を見ると、まだ続いているようだ。
ただ突き当たるとやはり右に曲がる道があって、このまま進むと一周してしまいそうだ。
それじゃぁ意味が無い。
元に戻っても李厘は絶対に物置にはいないだろう。
(灯台下暗しと言う言葉もあるけど・・・)
片っ端から李厘を探す方が効率がよさそうだったので、とりあえず扉の無い入り口の前に立ってそっと中を覗いてみた。